生活の日記

文章を書くのが好きな人間が、ただ吐き出しています。楽しいから書いています。

2023-11/24 午前2時、冬

寒かったので、おばあちゃんから貰ったスウェットのようなものを着て、何故かなんとなく思い出した。
お父さんのおじいちゃんの家の匂い。古い静かな匂い。冬の真っ白な雪。外に出ると、鼻がツーンとなるぐらい寒かった。だから、家の中はあったかい暖炉がずっとついている。2階はカメムシの死骸が落ちていて、毎回寝るのが少し怖かった。

ある夜に、なんとなく家族4人で散歩をしに行った。真っ暗だった。街頭はぽつぽつと少しあるだけで、本当に真っ暗で音一つしなかった。夜の暗さはこんなものなのかと思った。本当に静かで、田舎っていう感じがした。お父さんが通っていた中学校に行った。今はもう廃校になったらしい。小さい中学校だった。お父さんはそこの敷地に不法侵入していた。不良みたいな思い出を語っていた。お母さんはいつもの、不良じゃんと嫌がっていた。

そこにも、雪が積もっていた。

途中で雪が降ってきて、街灯の明かりに雪が照らされていた。すごく綺麗だった。街灯の下に立つと、雪が視界いっぱいに降ってきて、楽しかった。

おじいちゃんの家ではいつもお餅を食べる。

空港に着いた時は、いつもなんだか、不思議な気持ちがした。現実感のない、夢みたいな、そんな気持ちのまま、おじいちゃんが車で迎えに来るんだ。

お父さんは眼鏡と同じ黒いジャンバーを着てた。

お母さんは飛行機の中で空港で買ったお弁当を食べて、美味しいって言ってた。

弟は、いつも雪で遊んで楽しそうだった。

私は、おばあちゃんとおじいちゃんに絵をプレゼントしてみたんだ。絶対いらなかったと思うけど、貰ってくれた。

今はどうしているだろう。あの何も無い田舎の、遠い、静かな場所で、今は雪が降っているのかな。真っ暗な夜の中、家の明かりだけがついているのだろうか。もうあそこに住んでいる人たちはみんな寝て、真っ暗になって、雪だけが降っているのかもしれない。

そうか、私があそこに行かなかったら、あの家の裏には雪だるまがないんだ。畑の雪の山にソリの跡はつかないんだ。

いつかまた行きたいと思った。でも多分、もう行くことはないんだと思った。

東京はあったかいよ。東京は明るくて、人がたくさんいて、忙しくて、雪は降らない。あの街の静けさは、私にはわからないんだろう。