お母さんにベッドで謝られた。この光景は何回も見た。いつも、少し元気になった私が、それでも許せないまま、だけど、お母さんの笑顔を見て、うん ってそれだけ言う。
お母さんは、弟に怒られたらしい。
はっきり言わない、家族だからってなんでも言ったらいけない、思ったことをすぐ言わない、(私)は合理的で何回も言われるのは嫌だから1回で簡潔に言うだけでいい、うるせぇとか言ってたけど、泣いてたのはママが大事だったから どうでも良かったら泣かないよ など。
弟があまりにも私のことを分かりすぎている。すごい。私も人の性格を理解するのは得意なのだが、弟は本当にすごい。全部あってるし、全部私が言いたかったことだ。
私は弟のことをわかってあげられているだろうか。この間、弟が学校での嫌なことを言っていた時に、お母さんが的外れなことを言って、私は現実的に考えて、弟に寄り添えてあげた気がする。
弟が月を見て、今日は月がぴかぴかしてる、と言ったり、マンションのおじいちゃん達の部屋の前のコンクリに缶コーヒーが寄り添うように2つ置いてあるのを、私と同じでなんか良いよねって言ったり、アニメを見ている時の感想が同じだったり、私だけかな、わかってもらえてる気がするの。似ている気がすること。もし友達がいたら、こんな感じなのかなって思った。
でも、もし私たちが他人だったら、同級生だったとしても、何か関係があったとしても、絶対仲良くならなかったと思う。それを弟に話したことがある。絶対そう、と言われた。私たちは真反対で、何もかも違うようで、同じところがあって、その同じところは、根本的な価値観なのかなって思う。出会えてよかった。私の弟になってくれて良かった。
結局こんな時間になっちゃって、デッサンも終わらなかった。まだまだやること、やらなきゃいけないことがあるのに。
それでも生きていこうって思った。弟の話をしていたら、なぜか頭に夜の星空が浮かんだ。たくさんの星が見える訳じゃなくて、都会の、少し星が見えるくらいの、夜空。冬の冷たい空気で満たされている空。
実は、弟みたいな人と結婚したいと思ったことがある。ブラコンすぎて怖いかもしれないが、弟が好きすぎて、というより、今まで会ってきた中で、弟が1番居心地が良いというか、話が合うので、そういう人と結婚したいなと思ったわけだ。(言い訳、、?)
今思うと、本当にそうだ。私はそもそも、弟みたいな、主人公タイプ・犬っぽい・人が好き・明るい・コミュ強・常識人(その上で突飛なアイデアをする)・すぐ人を助ける という人間が好きだ。
弟は、美的センスもあるし。私とは違う、感覚でやるタイプの人間なのだが、絵がすごかった。上手いとはまた違う。私にはできない、心の思うままに、ぐちゃぐちゃというか、自由に描いたものだった。抽象かな。何か具体的な物を描いているわけではなく、思いを描いている。正直、才能を感じて、こいつはすごい奴だと思った。タイトルも良くて、「いろんな気持ち」というものだった。良い。色も鮮やかで、けれどしっかりまとまっている。完全にセンス。
私はそういう風に行き当たりばったり的な描き方はできないので、すごいなと思った。図工が好きで、マイクラも大好きで、何かを作ることが好きなので、(自分でサイコロのゲームを作ったり、自分でカードゲームを作ったりしている)
そういう美術的な方面も向いているんじゃないかなぁと思った。でも、弟は農家になりたいらしいので、頑張れよ、と思う。
私と弟は、お互いがお互いに無いものを持っている。私が弟のことをすごい!と思っているのは分かりきっているのだが、弟も私のことを、それなりにすごいと思ってくれているらしいので、嬉しい。
弟を、もっと労わろうと思った。あと、生きようと思った。
もう寝るので終わる。毎日少しずつでも頑張っていこう。