生活の日記

文章を書くのが好きな人間が、ただ吐き出しています。楽しいから書いています。

孤独/相反、でもない/自由、不完全

・孤独

私には、小学五年生の時から心に穴がある。それに気づいたのは、冬だった。今はもう通らないあの道路。帰り道、心に穴があると思った。黒い、穴が。

中学生になってから人を好きにならなくなった。友達もいなくなった。小学生の時の友達と、少しづつ話さなくなって、気づけば離れていた。いや、離れて行ったんだ。

あの日の私は、どうして、こんな、どうしようもない現実に気づいてしまったのだろう。人間はみんなひとりぼっちだ、孤独だ、私たちは同じになれない。

小学六年生の、卒業式、晴れた空。私の好きだった人が、校庭でクラス写真を撮る時、私の隣に居たんだ。それで、なんか独り言を言っていて、私は何も言わなかった。その人も、私のことが好きだったんだろう。5年生の時、隣の席で仲良くなって、だけど、私はひとりに気づいて、話さなくなった。その人は、それでも私に話しかけてくれた。帰り道、桜が散っていた。お母さんのヒールが折れてしまって、笑っていた。あの家に帰った。いつも通りに。この間その前を通ってベランダを見たら、知らない真っ白の布団が干されてた。

中1になってからも、私はしばらくはその人のことがまだ好きだったから、LINEしようかと思った。友達に連絡先を聞いた。だけど、やめた。

私は、人に縋りたいだけだった。好きだからじゃない。本当の恋なんて、多分したことがない。小さい時は優しくしてくれるから好きになっただけで、小学校の時もそうだった。

私は、人を好きになれないのだろうか。違うな、この世の誰も、ほとんどの人が、本当の恋なんてできないんだ。そんなもの、どこにもない、私たちが人間という動物に生まれた時点で。

気持ち悪くなる時がある。異性に好意を向けられた時、歩いていて人の視線を感じる時、人に合わせている時。

友達が、バイトの時に知らない客の男子高校から突然話しかけられて、(緊張した様子でお仕事頑張ってくださいと言われたらしい。) 少し嫌だったと話していた。私も、それに共感した。

人間は、知的生命体だと言うなら、早く動物性を捨てて、動物を捨てて、理性だけになってしまえばいいとたまに思う。全部真っ白で無感情で理性だけが全ての世界。

けれど、私たちが動物性を捨てたなら、感情を捨てたなら、一体何になると言うのだろう?わかってる、そんな世界が訪れないことも、訪れてはいけないことも。

 

・相反、でもない

人は好きになれるよ、だって、動物だから、感情があるから、人を好きになれるのだろう?それが、例え本能からだったとしても、美しいじゃないか。私たちは、無駄に頭が良くなっただけの動物だよ。いくら綺麗にしようとしても、整備して分類して合理性だとか、"正しい"ことをしようとしても、正しくなんかなれない。正しさ なんて、人間が勝手に決めた都合のいい言葉だ。地球を生かすための正しいことをするなら、人間は滅ぶべきだろう。けれど、それは生存本能が許さない。

私は、動物性と知性の間にずっとゆれてる。どっちが正しいとか、どっちが間違いだとか、そういうことじゃない。私たち、人間が、人類が、これからどうなっていくのかも分からないし、それを考えようとは思わない。考えたって、仕方ないから。私なんかが何を言ったって勝手に社会は変わっていく。時代は変わり、思想は変わり、気づいた時には滅んでいるのかもしれない。それでもいい。私はただ、生きていければいい。死ぬ時は、痛いのは嫌だけど。

 

・自由、不完全

長谷川白紙さんの、Q13という動画を見た。シンガーソングライターの長谷川白紙さんが、インタビューに答える動画だ。曲と、内容にあった特別映像も流れる。

私は、この人ほど自由な音楽を聴いたことはなかった。私は、風になりたいと思ったことが何回かあるが、この人も、そうなんじゃないかと少し思っていた。

長谷川白紙さんは言っていた、体との境界線を無くしたい、不老不死になりたいです。

あぁ、この人も意識になりたいんだ、やっぱり。嬉しくなった。同時に、私とは違い、この人は本当の自由を求めているのだと感じた。本当の自由は、多分、ないのと同じだ。無い、無限。

長谷川白紙さんは、本当の自由になれる気がした。白紙さんなら、やってくれると思った。自由は無くすことだ、失うことだ。私には、それはできない。私は自由にはなりたい。だけど、不自由な今も、不完全な動物性と知性を持つ人間も、死も、愛しているのだ。

光のように見えた。昼間の、窓辺、光を透かした白いカーテンのようだった。長谷川白紙さんは、彼、でも、彼女、でもない。そう思った。長谷川白紙という、たった一人の人間だ。あなたはいつかきっと、自由になる。私はなんとなくそう思ってる。少し、怖いのだけど、神 みたいに思ったんだ。私たち、ではない、光のようなひとに思えた。

 

私の孤独感はいつか無くなるのだろうか。私は、みんなみたいに孤独から目を背けて生きていくこともできないし、長谷川白紙さんのように孤独に全く恐れないこともできない。それでもいいか。本当は、誰かに恋をしたい。友達も欲しい、だけど怖くてできない。そんな私でも、今はいいだろうか。きっといつか大人になれるさ、私は何かになろうとしなくていい、私は私でいい。私の不完全も、いつか、全部愛せたら。